P2P地震情報 開発ログ

気象庁の地震情報・津波予報とユーザの「揺れた!」という情報を共有するサービスの開発記録です。

緊急地震速報 配信試験の状況について (2)

 P2P地震情報では、NHK緊急地震速報チャイム音と連動した「緊急地震速報 配信試験(クローズドβ)」を10月1日より行っております。この配信試験について、3月30日現在の開発状況についてお知らせします。

検出状況

  • 一般向けの緊急地震速報は発表されていませんので、配信試験においても配信はまだ行っておりません。
  • チャイム音以外の音声を、チャイム音であると誤検出したことはありません(※10月中旬の修正以降)。
  • NHKラジオ第一における「緊急地震速報の告知放送」における告知アナウンスの検出が低い精度に留まっております。具体的には下記の通りです。
    1. 告知放送では「事前アナウンス→チャイム音(本物)→具体的な行動のアドバイス」という流れになっています。
    2. この放送の「チャイム音」による緊急地震速報の配信は避けるべきですから、本配信試験では「事前アナウンス」を検出した場合には配信をやめるように設計しております。
    3. しかし、チャイム音の検出精度が95%以上(推定98~99%)あるのに対して、事前アナウンスの検出精度は約90%に留まっております。
    4. この精度のズレにより、10回に1回程度、チャイム音だけを検出した場合に誤って「緊急地震速報が発表された」と配信しております。
  • 上記「事前アナウンス」の誤検出が1日25回ほどあり、1日のうち2分程度「チャイム音が流れても、告知と判断して配信しない」時間があります。

ソフトウェア動作状況

  • 緊急地震速報の配信後、配信側のソフトウェアが異常終了します(表示側は問題ありません)。開発環境では正常に動作しており、詳しい原因は不明です。

今後の予定

  • オープンβは、「すべての検出精度が99%以上」または「一般向けの緊急地震速報が発表され、判定方法をそれに合わせた(精度が十分と認められる)ものに変更」のいずれかが完了した後に実施します。
  • 当面の間、検出精度向上およびソフトウェアの安定性向上を目的とした開発を続けます。また、オープンβおよび正式版を見据えた新しい設計による開発も同時に進めます。