P2P地震情報 開発ログ

気象庁の地震情報・津波予報とユーザの「揺れた!」という情報を共有するサービスの開発記録です。

P2P地震情報のあり方(ラフ)

 Beta 4の開発がスタートしましたが、「開発」と言ってもカタカタとコードを書くだけではありません。まずは、「P2P地震情報がどのような目的を持ち、どのような位置付けであるか」を再考すべき時期に来ていると思いますので、雑ではありますが私自身が求めている機能と、現在の状況を踏まえたあり方についてまとめてみました。

求めている(た)機能

地震情報を知りたい
  • 住んでいる地域の震度や、日本・世界の比較的規模の大きな地震について知っておきたい。
  • 防災・減災の意識を常に持っておきたい。
津波予報を知りたい
  • 地震による揺れが微弱または感じられない地域にも津波が来襲する恐れがあり、地震が発生してから調べるのではなく常時チェックできるとよい。
地震情報が発表される前に、地震の発生を知りたい
  • 実際に揺れたとき、揺れの範囲はどのあたりまでなのかを知りたい
  • 主要動到達前に地震の発生を伝達し、揺れに対する心構えができないか
  • 揺れの状況などから津波の可能性などについて推測できないか

現在の状況を踏まえた、機能のあり方

地震情報について
 求める最低限の条件「コンピュータ上」「自動(発表されしだい表示)」の2点を考えても、既存サービスの組み合わせでは難しい。よって、P2P地震情報によって提供することは適切である。ただし、通知方法が適切かどうかについては再検討の余地がある。
 防災・減災意識の向上については、地震情報の通知だけでなく防災・減災に繋がる様々な情報を提供していくことも有効ではないだろうか。
津波予報について
 津波予報を常時取得出来る手段としてテレビ放送などが存在するが、これは津波予報の伝達が主ではなく常に映像や音声が流れている。コンピュータ稼動時という制約があるが、津波予報に特化し発表時に画面上や音声で通知するほうが気付きやすく、P2P地震情報により提供することは適切だと考えられる。
主要動が到達する前に、地震の発生を知りたい
 既にウェザーニューズが「The Last 10-Second」サービスを安価で提供している。これは高度利用者向けの情報を配信しており、現実的な解としてウェザーニューズのサービスを利用することが適切ではないかと考える。ただし、通信方法にHTTPを用いていると推測されレスポンスやサーバ障害のリスク等が不明であること、表示にFlashを用いておりパフォーマンスが不明であることなどを考えると、現在実施しているNHK 緊急地震速報との連動試験を続けていく価値が無いわけではない。
 地震感知情報における当該目的での利用についてだが、これはユーザーが揺れを感じた直後に発信するものであり、主要動到達前に通知が可能なのは震源から一定以上離れた地域、つまり大きな揺れとなる可能性は低い地域である。揺れに備えることによる精神的な部分への効果はあるかもしれないが、防災・減災には繋がらない。
地震情報が発表される前に、地震の発生を知りたい
 地震感知情報を用いれば、実際に揺れを感じたとき、その揺れがどの範囲に及んでいるかなどを知ることは可能である。これによる効果は恐らく精神的な部分に限られるが、これは既存のサービスにはなく、P2P地震情報独自の機能として提供することは適切である。
 津波の推測については、気象庁 津波予報が地震発生後約3分(一部2分以内)で発表されること、揺れの範囲ではなく揺れの種類(長い横揺れなど)により推測する方法が一般的に言われていることなどから、地震感知情報においてこれを行うことは不可能と考えられる。

 機能の幅についてはまた後ほど考えるとして、つまり必要な情報を表示してくれればそれでいいし、地震感知情報は私自身が求めている中では揺れた時に揺れの範囲を知るぐらいしか出来ないよ、ということになります。

 みなさんがP2P地震情報に求めている(た)ものは何ですか? コメント欄にご意見をお寄せいただきましたら、いくつか機能のあり方を検討させていただくかもしれません。