P2P地震情報 開発ログ

気象庁の地震情報・津波予報とユーザの「揺れた!」という情報を共有するサービスの開発記録です。

地震感知情報のフィルタリングについて

 次リリースから実装される地震感知情報のフィルタリングについて、簡単にまとめておきます。

 次リリース Beta3(Rev8) では、地震感知情報の「表示内容の信頼性」についても評価するようになります。つまり、長い年月をかけて「これは嘘」「これは本当」というような判断能力をつけなくても、誰でも見ただけで「揺れの範囲・規模」がだいたい分かるようになります。実際に効果的に機能する例を2つほど挙げてみます。

2007年10月28日の地震

 まずはこれまでのバージョンでの表示から。

 どれぐらいの範囲・規模か分かるでしょうか? 関東地方というのは分かりますが、近畿・中国・四国にも色がついてたり北海道の一部が赤くなってたりとややこしいです。簡易掲示板に「自重」とか「終わったな」という発言が並びそうな分布です。

 では、フィルタリングを実装した次リリースではどのようになるか。


 近畿や北海道の情報は表示されなくなり、関東地方の分布のみになりました。また、信頼度の表示から関東地方の中でも比較的狭い範囲に分布していることが分かります。

 実際の震度分布は次のようなものでした。

 比較するとこうなります。

 残念ながら「高い精度」とまでは言えませんが、それでも信頼度の高かった地域に実際の震度分布が来ていることがお分かりいただけると思います。

2007年11月17日の地震


 こちらはいかがでしょうか。たくさん分布しています。こちらも簡易掲示板に「広すぎ」とか「いちいち騒ぐな」とか書き込まれていそうな感じです。


 フィルタリングを実装した次リリースでは、こんな風になります。地図上に表示されている(信頼度E以上の)ものは香川と徳島北部だけになりました。


 実際の震度分布はこうでした。「ピア数の少ない地方に弱い」と言われている地震感知情報ですが、フィルタリングの実装によって改善されていることがお分かりいただけると思います。


 すべてがこのように機能するわけではありませんが、地震感知情報の利便性は確実に向上するものと思います。これを実装した次リリース Beta3(Rev8) は、12月28日にリリースする予定です。簡易掲示板が廃止されるので、代替が必要な場合は(移行期間のつもりで)PRCP雑談プラグインを今のうちに入れておくといいかもしれません。