P2P地震情報 開発ログ

気象庁の地震情報・津波予報とユーザの「揺れた!」という情報を共有するサービスの開発記録です。

P2P地震情報 Beta4開発にあたってのお知らせ

 ※この記事は、トップページに記載した内容をそのまま掲載しています。

 P2P地震情報 Beta4(新バージョン)は、4周年となる12月3日のリリースを目指して開発中です。

 Beta4の機能については、概ね下記のように予定しております。「これはどうかと思う」「この案はどうなった?」等々、ご意見がありましたら掲示板などへ早めにお寄せください。リリース間際になると「互換性が保てないのでBeta5で…」となることもあります。よろしくお願いします。

備考
○: Beta4初版で実施予定,△: Beta4のあいだ(初版またはそれ以降)で実施予定
メイン版(仮)・シンプル版(仮)の2エディション体制、開発言語の追加
・方向性を定めるべく、2エディション体制で開発を行います。
○現行バージョンの開発形態を、中上級者向けの「メイン版(仮)」とします。
 →"中上級者が利活用しやすく"をコンセプトに、新機能を意欲的に取り込みます。
 →開発の効率化のため、Visual C# 2005にて開発します。
△「シンプル版(仮)」を新規提供します。
 →"ヘルプなしに理解・操作できる"をコンセプトに、可能な限り簡略化します。
 →Visual Basic 6.0で開発し、Windows 95以降に対応します。
地震情報 地図システムの一新
○要望の多かった「正確な地図」「拡大縮小」「震源地の表示」を実現します。
○ユーザとの共同作業で、4000以上存在する全震度観測点の地図表示を目指します。
 →これにより、観測点名の誤った省略(例: 田村市→田村)を解消します。
津波予報 情報配信の拡大
津波予報を定期配信し、後から起動したユーザなどに対しても情報を配信します。
津波到達予想時刻・予想される高さ、津波観測の情報を配信します。
地震感知情報 精度向上と"見かけの"精度向上
○最新のデータベース(統計室にて公開)に基づき、表示判定を変更して精度を向上します。
○信頼度判定を皆様に理解しやすい表現方法に改め、"見かけの"精度向上を図ります。
 →相対表示を行います(例: 最大信頼度Eのとき→EをA~Eの5段階に拡張・格上げして表示)。
 →従来の信頼度表示について、規模の推定に転用可能かどうかなどを検討します。
 →信頼度を「揺れた可能性(仮)」などと表現し、直感的に理解できるようにします。
震度の推定 試験
△体感震度の送受信機能を試験的に実装し、震度の推定が可能か調べます。
接続性・安定性の向上
地震感知情報の流量が非常に多いときなどに異常終了する不具合を解消します。
△サーバへの接続が不可能な場合、過去に接続したピアへの接続を試みるなどします。
"繋がっている"感覚の強化
△サーバの動作状況を配信します。
○「一体どことどのように繋がっているか」「どの情報を受け取れるのか」を表示します。
プラグインの一新
△すべての情報を利用可能とします。
△設定の読み書き、表示情報の制御なども可能となる予定です。
使いやすさの重視
○インタフェースを全面的に見直します。
○ウインドウの位置を記憶します。
地震感知情報の発信にホットキーが使用可能になります。
○アップデート情報・お知らせなどを配信し、ソフトウェアで表示可能にします。
○起動中の自動アップデートに対応します。
○ソフトウェア起動時の接続ディレイ(遅延)を実装します。
○ソフトウェアの終了時のレスポンスを改善します。
△「指定地域で震度1~または全国で震度3~」など、地域や好みに応じた指定を可能にします。
 →地震情報: [観測点名/都道府県/全国]で、震度[X]以上のとき
 →地震感知情報: [指定地域/半径X以内/全国]で、[信頼度/規模(仮)]が[Y]以上のとき
 →津波予報: [指定地域/全国]で、[津波注意報/津波警報/大津波警報]のとき
地震感知情報・津波予報のテキスト表示に対応します。
津波予報の再表示に対応します。

 また、その他の"より実験的な"分野については次のように予定しています。

  • ColdFire基板を用いた地震計ネットワーク
    • 組み込み機器用ネットワークを構築し、簡易地震計(概ね震度3以上の簡易震度計)として利用可能にします。
    • 圧電ブザーなどを接続することで、パソコンなしに単独で出力を実現します。
      • 例えば、緊急地震速報 配信試験(オープンβ) 配信時に警報音を鳴らします。
  • 緊急地震速報 配信試験(オープンβ)
    • 混乱を避けるためプラグインによる表示を継続します。
  • P2Pネットワークのデータ伝播時間を低減
    • 接続方法や送信方法を改善し、データ伝播に掛かる時間を低減します。
      • シミュレーション上では20~30%ほど低減できています。
  • PRCP情報共有プラグイン
    • 指定スコア以下の発言を非表示にする「表示しきい値」オプションを設けます。
    • ユーザの関心度、動向などを総合的に判断し、方向性を検討します。
  • 他OSへの対応
    • 検討中です。
  • 防災・減災に関する情報の配信
    • 具体的な配信内容、配信方法は検討中です。

 なお、提案リストに寄せられた主な提案のうち次の機能については、今後実装する予定はありません。

  • 気象関係の警報・注意報、天気予報、台風情報、ニュース速報、鉄道運行状況
    • P2P地震情報の範囲外です。
    • 負荷分散を目的とする場合、別プロジェクトとして検討するかもしれません。
  • 地域設定の変更回数制限
    • IPアドレスは変わる、設定は消せる、という状態では制限を掛けることは不可能です。
  • 地震感知情報: 表示条件の絶対数指定(AND/ORなどの複数指定など)
    • 表示判定の精度が良いため、不要と判断しました。
  • 地震感知情報: 発信時に確認ウィンドウを出すのをデフォルトに
    • 地震感知情報は「おおざっぱだけど早い」のが特長です。"早い"が抜けると価値が無くなるように思います。
  • PRCP情報共有プラグイン: ハンドルネーム
    • 新しい利用者が情報を発信しにくくなるほか、不必要な会話を助長する可能性があります。
  • PRCP情報共有プラグイン: 悪質投稿者の申告制度と永久発言禁止措置
    • 評価システムで代用できます。
    • IPアドレスは変わる、設定は消せる、という状態で永久制限を掛けることは不可能です。
    • 基本的にサーバや管理者に依存しすぎるのは良くないものです。